従来のキャリブレーションの常識を覆す、新方式ソフトウェアキャリブレーションSFMの導入により、キャリブレーションポールを使用せず、撮影された映像より直接3D座標を構築することが可能となりました。
ここでは、SFMキャリブレーションとはどのようなものなのか?理解して頂く為に簡単なSFMキャリブレーションの流れを掲載しております。導入前の検討材料等にお役立てください。

※SFM(Structure From Motion)とは、複数の画像から3Dを構築する技術です。
※当ページ解説では、目安として既存のキャリブレーションポールを利用しておりますが、あくまでもスケール設定の目安であり、SFMキャリブレーションでは必ず使用する必要はありません。

STEP.1
PV STUDIOに撮影された映像を取り込む
まずは、2台のカメラにて撮影された映像をPV STUDIOにそれぞれ読み込みます。
読み込んだ映像に対して、キャリブレーションを行うポイントに対してマーカーを作成していきます。この時、最低9カ所以上のポイントにマーカーを作成してください。(例図参照)

 ■例1    ■例2    ■例3
室内によるキャリブレーションポールを対象


<左カメラからの映像>



<右カメラからの映像>

屋外による二人のアクターを対象


<左カメラからの映像>


<右カメラからの映像>

室内によるフィギュアを対象


<左カメラからの映像>


<右カメラからの映像>

※キャリブレーションを行う対象は、2台のカメラにて撮影された映像で、スケールが正確に把握できるものであれば、例図のように対象物を選ばず正確なキャリブレーションを行うことが可能です。

応用例として、キャリブレーション対象物が無い場合など、実際に動いているサンプリング対象物にマーカーを設置し、フレーム移動した対象物に対してマーカーを追加する事でもキャリブレーションを行う事ができます。

また、下図の用にマーカーを打ちたいポイントがカメラアングルによっては、対象物が重なるなどして正確にマーカーをポイントに設置できない場合がありますが、フレームを移動する事により、正確なポイントにマーカーを設置する事ができます。

     
  計算精度を上げるためには、マーカーの範囲はなるべくボリュームのある3次元空間を選択すると良いでしょう。
理想的なのは、ポールを何本か立てたような、奥行きと高さを広くサポートするようなシーンです。
また、人物がシーンの中を動き回ってみて、各フレームの人物の軌跡をマーカー化してみても良いでしょう。

STEP.2
2つの映像に適用したマーカーより3D座標を構築する

Step.1で作成した2つの映像のマーカーポイントより、SFMを適用する事により簡単に3D座標を自動構築する事ができます。

SFMが適用されると、下図のようにGL View画面にて適用の確認を行う事ができます。

STEP.3
映像のスケール設定を行う

SFMにて3D化され映像に対して、実際のスケールと同等の表現を行う為、映像のスケール入力を行います。
スケールを行う対象物は、例えば実際のスケールが1mのものであれば、その両端にポイントしてあるマーカー2つを選択し、Scale to Realによりスケール入力を行います。

 


 

STEP.4
地面の高さ設定を行う


3つのマーカーを選択

適用確認「GL View」Camモード

地面に直接接しているマーカー3点を選択し、Rotate on Groundを適用させる事により、地面の高さを認識させます。

■Rotate on Groundの適用は、3つのポイントのみ選択します。
  ポイント1 原点
  ポイント2 Z軸プラス方向
  ポイント3 X軸プラス方向
  基本的には上記ののようになっておりますが、
  上記以外の他のポイントがY軸プラス方向に無い場合、X軸とZ軸を入れ替えて
  ポイント2 X軸プラス方向
  ポイント3 Z軸プラス方向
  とします。
  この為、3つのポイントは最も低い位置(地面)にあるポイントを選ぶ事が必要です。

 以上で、簡単に手間を掛けずキャリブレーションを行う事ができます。